東福寺塔頭の芬陀院 京都の雪舟寺
2008年 06月 29日
石畳も実に美しいですね。
雪舟が少年時代を過ごし、あの涙で鼠を描いたという言い伝えで名高い岡山の宝福寺は東福寺の末寺で、雪舟等楊が、京を訪れた際に起居していたとのこと。
確かに、雪舟の鼠の伝承を意識してのことと思いますが寺の玄関口に鼠の案内絵が掲示されてました。さすが雪舟寺(笑)。
庭は鶴亀が配された優美な苔庭で、亀石が夜毎動いたという伝説もあります。繊細でありながらしかし凛とした空間。右が亀島、左が鶴島です。鶴島は折鶴を表現しているそうです。既に述べたように、雪舟が造ったと伝えられているのですが、今我々が見ることができるのは、荒廃していたものを重森三玲が昭和12年に復元修理したものだそうです。
東福寺のメインコースから少し外れていることもあり実に静かで静寂に包まれています。
実にいいお寺なんですけどね。
関白一条恵観公愛好の手洗鉢というものがあるのですが、これがまた素晴らしいのであります。
書院の背後にある茶室、図南亭(となんてい)は一条昭良(恵観)好みといわれています。恵観は茶関白といわれるほど茶道を愛した人。躙口のない貴人好みの四畳半茶室で、昭和44年に復元されたもの。扁額は石川丈山の手によるもの。
東庭は重森三玲が作庭した昭和の名庭。茶室の丸窓から覗く東庭もなかなか風情があります。
なお、面白いと思った一つに障子があります。庭から採取した草花を押し花にして和紙にはさみ、取っ手近くの部分に、アクセントをつけています。この細工は、障子のあちらこちらで、違った草花が施されていました。
なお、雪舟ゆかりのお寺ということもあり、多くの水墨画を見ることができます。残念ながら雪舟の水墨画ではありませんが(笑)。それでも、なかなか素晴らしいものばかり。
次の雀たちは、このお寺の中で見つけた水墨画のなかにいます。なかなかカワユイでしょう。
実はこの芬陀院というお寺、訪れる人も稀で静寂に包まれており、程よい大きさで、そして何よりも洗練されていて、京都の数あるお寺の中でも私好みのお寺であります。