松尾大社の山吹
2008年 04月 27日

本殿は大宝元年、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が勅命を奉じて創建以来、皇室や幕府の手で改築され、現在のものは室町初期の応永四年(1397年)の建造にかかり、天文11年(1542年)大修理を施したもので、重要文化財指定。

全国各地から酒造家が奉納した「薦樽」が詰まれています。日本酒のメーカーだけでなく沖縄の「瑞泉」さんのように泡盛醸造家なども奉納されているのですね。

この松尾大社、背後の松尾山を含む広大な境内を誇るのですが、それ以外にも昭和の名園・松風苑三庭が有名だとか。
ところで、今回松尾大社を訪れたのはちょうど盛りを迎えた山吹を見るため。
ここの山吹は一重、八重の山吹など、一の井川周辺を中心にあちらこちらで咲き誇っていました。


山吹はバラ科の低木で、桜が散った後に開花を迎えますが、古来から、新緑の葉を背に開いた花は黄金色に輝き、鮮やかでひときわ人目を引いてきました。


山吹はバラ科だけあって、特有な高貴な香りがします。そしてその香と姿により、その花言葉は崇高、気高さだそうな。

一の井川に水車がありました。全くの飾りかもしれませんが、松尾大社は酒造家の方々が信仰する神様でもあるため、精米用に水車に使ったようですからあながち関係無しというわけではありませんね。

山の谷間で枝が風に揺れ動くさまから「山振」と呼ばれたのが語源といわれ、『万葉集』に山振と記した歌があるそうです。
『枕草子』では「大きにてよきもの」として桜と山吹が併記されているとのことですね。


長岡天満宮のキリシマツツジが「赤の世界」とするなら、松尾大社の山吹は「黄色の世界」を醸し出しています。


境内には約3,000株の山吹が自生しているそうです。






松尾大社のあちらこちらに亀が置かれています。それは、次のような言い伝えがあるからだそうな。
松尾大社は桂川が氾濫するたびに被害を被っていたのですが、あるとき、松尾大社の神様が下流の方に流されてしまったそうな。その神様を助けて送り届けてくれたのが1匹の大亀だったとか。それゆえ、亀が神様の使いとされているとか。
