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見果てぬ夢-日本近代画家の絶筆(4)今井俊満「The para para dancing」

私は、今井俊満氏の最晩年の2m×10mにも及ぶ大作「The para para dancing」が果たして傑作かどうかは評価のわかれるところだと思うのですが(笑)、癌に侵され余命4ヶ月と宣言された齢70を超えたご老人の作品とは、到底思えない「生」あるいは「性」(笑)のエネルギーと、あっけらかんとした明るさ、混沌とした軽薄さに圧倒されない人はいないんじゃないかと(笑)。

巨大な画面のなかでパラパラを踊っているコギャルたちの性の饗宴を謳歌しているわけですが、見かたによっては、今井氏の体内で増殖する癌細胞と同じく、日本の現代社会において力強く増殖しているコギャル達もある種の細胞増殖のようなものと見えないこともないですね。

生(性)に対する探求(パラパラコギャル)と今井氏が直面している「死」というものが、あっけらかんとリンクしているるわけで、余命4ヶ月、死を直前に迎えた人間がこのような作品を描いてみせる秘密といったものは、このあたりにあるのかもしれません。

この今井氏の作品、ある意味、今回の「絶筆」展の最重要作品の一つであることは間違いありませんね。

兵庫県立美術館「見果てぬ夢 日本近代画家の絶筆」展
by tetsuwanco | 2007-06-08 12:38 | アート

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by てつわんこ
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