見果てぬ夢-日本近代画家の絶筆(4)今井俊満「The para para dancing」
2007年 06月 08日
巨大な画面のなかでパラパラを踊っているコギャルたちの性の饗宴を謳歌しているわけですが、見かたによっては、今井氏の体内で増殖する癌細胞と同じく、日本の現代社会において力強く増殖しているコギャル達もある種の細胞増殖のようなものと見えないこともないですね。
生(性)に対する探求(パラパラコギャル)と今井氏が直面している「死」というものが、あっけらかんとリンクしているるわけで、余命4ヶ月、死を直前に迎えた人間がこのような作品を描いてみせる秘密といったものは、このあたりにあるのかもしれません。
この今井氏の作品、ある意味、今回の「絶筆」展の最重要作品の一つであることは間違いありませんね。
兵庫県立美術館「見果てぬ夢 日本近代画家の絶筆」展