エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 作品85
2007年 05月 27日

20歳にして彼女があんなに素晴らしい演奏を残してしまったわけで、彼女が若くして多発性硬化症によって他界してしまい、あっという間に駆け抜けてしまう彼女のあまりにも短い人生も、わかるような気がいたします。
さて、昨日の近藤浩志さんの演奏。眼鏡が曇ってしまうほどの熱演で(笑)、私が接してきたいくつかのエルガーのチェロ協奏曲の実演の中では、結構上位にランクされます。でも、どうしても、私は、デュ・プレの神が乗り移った巫女のようなトランスがかった演奏が刷り込まれているので、どうしても比較してしまうのであります。
ところで、没年、病床にあったエルガーは、チェロ協奏曲開始主題の旋律の口笛がモールヴァーンの丘で聴こえたら、それは僕だと友人に話したそうな。
そうであれば、ポール・トルトゥリエの「枯れた」演奏もいいと思いますね。デュ・プレのエルガーのチェロ協奏曲しか知らない人は、トルトゥリエを。指揮はボールト。EMI盤です。