ハンニバル・レクター 女の子と犬はお友達
2007年 04月 30日

見た感想ですが、私は楽しめましたね。確かに、日本文化についておかしいところがあるとか、日本人女優が演ずるべきところを中国人のコン・リーが演じているところの違和感とか不満は無いことはないのですけど、そんなの見る前から判っていたし。それに、コン・リーの代わりに日本人女優の誰が演じられるかというと・・・なかなか難しいところです。
まあ、「羊たちの沈黙」並みを期待すると、そりゃ、皆期待はずれになっちゃいますよ。
今回は悲惨な生い立ちが背景にあるので、例えば、「レッド・ドラゴン」で下手な演奏者を食べちゃうといったブラック・ユーモアの切れ味は希薄なんですが、いくつか、知的なお遊びが楽しかったですね。
ネタばれしないように、いくつかハハーンと気がついたところ取り上げます。
1 何故、ハンニバル・レクターがバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を愛聴していたか。何度も、一連のハンニバル・シリーズの中で何度も「ゴールドベルク」を繰り返し使っていてあたかもハンニバルのテーマのようなのですが(笑)、彼は訳有ってずっと悪夢にうなされていたわけですね。あたかも、あのグレン・グールドの唸り声のようにというのは言いすぎか(笑)。
2 フランスのセーヌ・エ・マルヌ県のモーというところがクライマックスの場所となっているのですが、モーは、ブリー・ド・モー、あの有名なチーズの産地ですね。あたかも、チーズナイフのように折れてしまった短刀で、あたかもチーズのように切り裂くのであります。ははは・・・
3 フンパーディングのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」の「小人が一人森の中で」が使われていましたが、このハンニバル・レクターの残酷さはグリム童話の残酷さと根っこでつながっているような気がしないでもないですね。グリム童話では、女の子の方がどっちかというと魔女をやっつけちゃうのが、映画では男の子が復讐するわけですけどね。それに、映画でも童話でも鳥が・・・。
4 豚に真珠ならぬ猪に真珠
それ以外にも見直したら、いろいろ発見できそうです。