トビアス・ヒュームもしくはヒューム大佐
2006年 12月 17日
彼は、ヒューム大佐(Captain Hume)としても知られる傭兵で、リュート音楽全盛の英国で独奏楽器としてのヴィオラ・ダ・ガンバの可能性を知らしめた作曲家だとのこと。
私は、彼の作品を聴くのは全く初めてどころか、彼の名前すら存じ上げなかったのですが、
コロンブやマラン・マレといったフランスのヴィオラ・ダ・ガンバの名手達の作品と比べて、より技巧性の高さとダイナミックさ、切れの良さといったものを感じました。
もう少し彼の作品を聴いてみようということで、彼の作品集を探してみたら、グロッサから出ていました。その名もThe Spirit of Gambo(ガンバの精神)(GLOSSA GCD920402)といういかにも軍人らしいタイトルであります(笑)。
このCDには全部で28曲のヴィオール作品が収録されているのですが、その編成は様々。
もちろんヴィオール1台で演奏されるソロ曲から、なんと10台以上のヴィオールで奏される大規模な合奏曲もあります。これは驚き!
さて、実演2曲とこのCDの28作品を聴いた限りでは、彼の作品は絶対「前衛的」だということ。リズムや音の強弱の幅が大きく、突然の休止や速いパッセージなど、当時の聴き手側は充分理解できたのでしょうか。「前衛」という言葉を避けるとすれば、少なくとも、「極めて斬新」ということになるでしょうか。
ところで、CDの解説書によると、ヒューム大佐は人奇行で有名な人で、精神異常を来たしていたことが、彼の作品に大きな影響を与えたと書いています。そのあたりは良くわかりません。どうなんだろう。
なお、このCD、英国の名ソプラノ歌手エマ・カークビーがゲストとして歌っている3曲が収録されているのですが、これはファンならずとも聴き逃せないところであります。

