スコットランド民謡「アニー・ローリー」
2006年 12月 14日
この曲に登場するアニー・ローリー(Annie Laurie)は、マクスウェルトン家のサー・ロバート・ローリーの長女として1682年に生まれた実在の人物で、数多くの男性から求婚を受けるほどの美人で、スコットランド中で有名であったとのこと。なお、今も彼女の肖像が残されており、その昔ウィリアム・ダグラスの心をとりこにしたという青い瞳の佳人の姿をうかがい知ることができます。

そんななかで、ウィリアム・ダグラスという詩人がおりまして、二人は将来を誓い合う程の仲だったのですが、当時のスコットランドは、内戦状態が続く混乱期で、ローリーとダグラスの2人の父親や対立する氏族に属していたことから、2人の結婚はかなわぬ夢のまた夢だったのであります。
結局、アニーは彼女の意に反して、ジェームズ・ファーガソンという男と政略結婚せざるを得なくなってしまったのであります。
残されたダグラスはそれでも愛するローリーのことが忘れられず、彼女への熱い思いを一遍の詩に託したのでした。これが、この「アニーローリー」の歌詞として、後世まで多くの人に愛されることになっていったのです。
曲は1890年2月スコットランドの女流音楽家ジョン・ダグラス・スコット夫人(1810-1900)が作曲。ウィリアム・ダグラスの詩は、何度か手直しされたようです。
なお、この曲が、スコットランドのみならず、ヨーロッパ中に広まったのは、あのナイチンゲールが活躍した1853年のクリミア戦争のこと。未亡人や孤児となった人たちへの慈善活動のために出された歌集にこれが載せられたことから、やがて軍楽隊も演奏するようになり広く知られるようになったのであります。戦地の兵士たちもこの歌を口ずさみ、故郷にある大切な人をしのんだとのことであります。
なお、英国民謡のグリーンスリーブスの旋律は多くの作曲家によって使われているのですが、アニーローリーの方は・・・
どなたかご存知ないですか。