
ポーランドへの強い愛国心を高らかに歌い上げた超有名曲。まず、クラシックファンでなくても、この曲聴いたことが無いという人なんていないんじゃないでしょうか。3部形式で書かれ、ショパンのポロネーズの中でも最も演奏される事の多い曲ですが、私は、どちらかというと「幻想ポロネーズ」の方が好みでしょうか。「英雄ポロネーズ」はどうやら聴き過ぎちゃいましたね。昨日聴いた近藤嘉宏さんの演奏も素晴らしいものでしたけど・・・
この作品が書かれた1842年のショパンは、結核をこじらせて、ヨレヨレの状況だったのですが、それが全く信じられない、力強く熱い情熱と精神力が感じがれる曲となっています。
「英雄」というニックネームは、ショパンがつけたものではありませんが、その名前に相応しい、雄大で男性的でしかも華やかさを併せ持つ気品に満ちた曲想になっていますね。
ところで、この曲、ショパンの曲でも、ピアニストによって、全く感じが異なります。私は、一番最初に意識して聴いたのがルーヴィンシュタインによるものだったこともあり、ああいう力強いぐいぐい引っ張るような演奏に惹かれます。

新しいところではティボーデによるデッカ盤でしょうか。新しい録音といっても1999年録音なんですが、実際、そのころパリでこの人の「英雄ポロネーズ」を聴いたのですが、この少々食傷気味のこの曲をなんと新鮮に弾ききってくれたことか。実演に接することの多い作品ですが、そのような体験は、今まで、それ以外無いですね。キーシンも素晴らしかったけど・・・