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イランの民族楽器サントゥールのレクチャーコンサート

先日の勤労感謝の日に、神戸ファッション美術館で開催されていました美術館コンサート「民族文化と音楽 そのひろがり」というものに足を運んで参りました。

プログラムは第1部:マリンバ演奏、第2部:イランの民族楽器「サントゥール」レクチャー・コンサート、というように2部構成となっておりましたが、私めの目論見は、第2部のサントゥール。サントゥールは、弦を叩いて音を出すという点からすれば、まさにピアノの遠いご先祖にあたる楽器にあたるとも言えないでもないわけで、そのレクチャーコンサートが行われるということですから、一度は実演に接しておこうということで。

サントゥールという楽器、私は、テレビかなんかで、インド音楽のパフォーマンスで登場していたことを目にしたことがあり、てっきりインド発祥の楽器だと思っていたのですが、ルーツはペルシャ、つまり現在のイランだそうな。いつ、この楽器が生まれたのかははっきりしないそうですが、少なくとも10世紀ごろのペルシャの詩の中にこの楽器が登場するそうです。

さて、サントゥールを簡単に説明すると、台形の木箱(共鳴箱)に金属弦を横に張りわたした打弦楽器。 真鍮弦(低音)と鋼鉄線(高音)の各コースに左右互い違いに、可動の柱が各一つ置かれています。鋼鉄線は柱によって1:2の比率に分割されており、柱の右側と左側とではオクターヴの音高が出せます。奏者は楽器を小机の上に置いて、ばちを両手におのおの1本持ち、弦をトレモノで打つのであります。
イランの民族楽器サントゥールのレクチャーコンサート_b0063958_13151358.jpg

このサントゥールはその後世界各国へ広まり、インドでもサントゥール、モンゴルではヨーチン、中国では揚琴(ヤンチン)、朝鮮半島では揚琴(ヤングム)、タイではキム、ハンガリーではツィンバロン、ドイツやスイスなどのチロル地方ではハックブレット、イギリス、アイルランド、アメリカではダルシマーと呼ばれ、現在でも民族楽器として使われているのであります。

音はどんな楽器に近いかというとツィンバロンでしょうか。あのコダーイの組曲「ハーリ・ヤノーシュ」で登場する民族楽器であります。どんな音色といえばいいのか非常に難しいですね。クラシックの楽器だったらハープシコードを思わせるところもあります。

イランの民族楽器サントゥールのレクチャーコンサート_b0063958_13202938.jpgなお、当日は、この楽器でイランの民族古典音楽を演奏していただいたのですが、特徴的なのは微分音の多用であります。要は、西洋音楽からすれば、半音上がりきっていない、もしくは下がりきっていない音があちらにも、こちらにも使われていて、なんとなく、居心地がよろしくない(笑)のですが、逆に、それが、非西洋音楽的といいますか、なんとなくエキゾチックな響きを醸し出しているのでしょう。例えるならば、モスクに鳴り響くコーランの朗詠(というのかなあ)を思い浮かべてください。あんな感じです。

そして、音楽は、拍子がはっきりとしているパートと、なんだかわからないパート(フリーリズム)が繰り返しで構成されています。その拍子がはっきりしていないパートというのも、実はペルシャ語の独特のリズムで構成されているとのこと。そして、メロディは30から40のメロディから、いわばインプロビゼーションによって発展していき、だいたい1曲、30分から1時間かかる・・・・
と私がいくら説明しても、なんのことやら分からないでしょう(笑)。

やはり、実際に聴いてもらわないと・・・

最後に、演奏いただいた谷正人氏のプロフィールを付けておきます。

谷 正人(サントゥール奏者、民族音楽学)
大阪音楽大学在学中よりイランに滞在し、F・パーィヴァルにサントゥールを師事。1998年イラン国立芸術大学音楽学部サントゥール専攻卒業。同年、第1回イラン学生音楽コンクールサントゥール独奏部門にて奨励賞受賞。帰国後、京都市立芸術大学大学院を経て大阪大学大学院博士後期課程(音楽学)を修了。イラン音楽のレクチャーコンサートを数多く企画・実施している。現在、同志社女子大学・大阪音楽大学・大阪産業大学、大阪外国語大学などの非常勤講師。
by tetsuwanco | 2006-11-24 13:12 | クラシック演奏会

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by てつわんこ
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