エコール・ド・パリ展(2)アンリ・ルソーの猫
2006年 11月 20日
アンリ・ルソーの題材として思い浮かぶのは、何といっても「ジャングル」でありましょう。当時、リビングストーンやスタンレーなどのアフリカ奥地探検などにより、フランスをはじめ、ヨーロッパはアフリカブームでありまして、ルソーもそれに触発されたのでありましょう。といっても、ご存知のとおり、アンリ・ルソーは、アフリカのジャングルを探検して、ジャングルの動植物を実際にこの目で見たわけではなく、パリの動植物園で見たものを適当にキャンパスに描いたのであります。ですから、彼が描いた動物も、どことなく間が抜けたユーモラスなものでございます。今回、展示されております彼の「ライオンを狩る人」も、まあ、そんな作品の一つでありますね。
ところで、彼は、何も遠いジャングルに生息する動植物ばかり描いていたわけではありません。今回展示された彼の作品には、パリの極日常に存在した身近なものも描いていますが、「猫の肖像」なんていうのも、なかなか、カワユイ作品ですね。小品ですが、実に堂々とした猫で、立派なクッションに鎮座しています(笑)。この「猫」、アンリ・ルソー自身にも見えなくもないですね。彼自身、もともと素人画家であるものを、高名な詩人や画家によって偉大な画家として祭り上げられたわけで、なんとなく、立派なクッションに鎮座する猫を自分そのものと皮肉っているように見えませんか。

