ガーシュィン:ラプソディ・イン・ブルー小編成ヴァージョン
2006年 11月 14日

世の中には、ドラマとは言え、マングースがピアニカを吹いたり、コントラバスを回したり、あんな編曲にしたりすると、ガーシュインに対する冒涜だとか言い出す頭の固い人が結構いるものでございます。まあ、「月9」だし(笑)、学園祭だから、まあ目くじらを立てることなど無いと思っているのですが。
それにそもそも、このラプソディ・インブルーは、ポール・ホワイトマン率いる小編成のジャズ・バンドとピアノ向けの作品として作曲されたものですから(グローフェが、ガーシュインの死後、弦も入れた大編成のものにオーケストレーションやりなおしています)、私は、あれはあれで楽しむのが粋というものでしょう。いや、この曲、羽目を外さないと面白くないと思ってます。まあ、どこまでやるかの問題はあるのですが(笑)。初演版の楽器構成では、チェレスタや独奏ピアノとは別にピアノが組み込まれていることから考えてみても、音量の問題はあるものの、ピアニカバージョンも全く荒唐無稽という話でもなさそうですね。
さて、お薦め音盤について。今から20年近く前ですが、初演時の小編成のジャズ・バンド用のスコアを使用し、しかもガーシュウィンが弾いたピアノ・ロール音源を使用するというシロモノがございました。デンバー・シンフォニー・ポップスフィルというオケがかぶせたのですが(ビクター盤)、いかにもスィング感あるれる「ジャズ」になっていて、面白かったですね。小編成用のスコアで録音されたものが他にもあったと思うので、一度、音盤屋ででも探して、小編成ヴァージョンも耳にされることをお薦めします。