ラフマニノフピアノ協奏曲第2番の官能性
2006年 11月 14日
よく、ラフマニノフの音楽はハリウッドの映画音楽のようだと馬鹿にする人いるんですけど、実は、ハリウッドの映画音楽がラフマニノフの音楽に似ているというのが正確なところなのであります。ロシア革命後、アメリカで彼が居を構えたのはハリウッド近郊のビバリー・ヒルズ。この地で作曲、演奏活動を行い、ハリウッドの音楽家たちに大きな影響を与えたのですから。

とは言いつつ、やはり、先ず取り上げられるべきものは、「戦場に架ける橋」や「アラビアのロレンス」などで名を馳せた巨匠デビッド・リーン監督が不倫の恋を描いた「逢引き」(1945年 英)。デビッド・リーンは、映画のシーンに併せてうまくラフマニノフのピアノ協奏曲2番の第1楽章から第3楽章まで、満遍なく使っていました。よっぽど、巨匠リーンは、ピアノ協奏曲第2番好きだったんでしょうかね(笑)。デビッド・リーンのお陰で、この曲は、クラシックファンならずとも、超有名曲になったわけであります。デビッド・リーンなかりせば、「のだめ」でも、この曲が使われなかったかもしれません。
次は、「旅愁」(1950年、米)かな。これは離婚調停中の男と、まだこれからの女性ピアニストの恋物語で、クライマックスがピアノのリサイタルのシーンで、第3楽章の最も有名な部分を存分に聴かせてくれました。この映画では戦争という運命で2人が引き裂かれることになるのですが、シュトレーゼマンと学院長との話と共通点無くもないですね(笑)。

とにかく、このラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、浮気とか不倫絡みの映画によく使われています。おそらくこの曲が醸し出す官能性の所以なのでしょう。