ブリテン没30年(5)パーシー・グレインジャーを讃えて
2006年 11月 01日
この度9月から11月にかけて、ブリテン没後30年を記念して、ユニバーサル・クラシックスから、デッカ・レーベルに残された録音をリリース。それも、1枚1200円という廉価盤ですので、私も、未聴のものを購入しようと考えているのですが、今回リリースされるもののなかで、もし聴いておられないのであれば、是非とも聴いていて欲しいのが、ブリテンの指揮とピアノによるパーシー・グレインジャー作品集「パーシー・グレンジャーを讃えて」であります。
というのも、このCDには様々な編成と曲想の編曲作品を選りすぐって、グレンジャーの生彩豊かな音楽を存分に堪能することができることから、グレンジャー入門に最適であるのみならず、ブリテンの指揮とピアノを楽しめるとともに、ブリテンの盟友ピーター・ピアーズの歌声も聴けるという超お徳盤であるからであります。もちろん、選曲も抜群ですし、演奏水準も申し分ありません。
このディスクは、ブリテンとピアーズが中心となって製作したアルバムがCD化されたものですが、録音は1968年12月。英国において、ブリテンはグレインジャーを評価していた数少ない若手作曲家の一人で、1933年のブリテンの日記によると、「グレインジャーの2つの輝かしい民謡編曲、“日曜日になれば17歳”と“父と娘”のため、V.ウィリアムズやR.O.モリスの編曲は全くかすんでしまう。」との記述があるほか、その後、オールドバラ音楽祭等でグレインジャー作品を度々取り上げています。
ただ、どういうわけか、ブリテンがグレインジャーに会ったのが、グレインジャーが没する3年前の1958年。かなり後になってからですね。
そして、「親愛と畏敬を込めて、パーシー・グレインジャーの思い出に捧げる」と献辞が付されるとともに、終曲にグレインジャーの採譜したとおりの旋律をイングリッシュホルンの独奏箇所に取り入れたイングランド民謡による組曲「過ぎ去りし時」をブリテン逝去2年前に完成させるのであります。
ベンジャミン・ブリテン/パーシー・グレインジャー作品集羊飼いの呼び声/柳、柳/日曜になればわたしは17歳/大胆なウィリアム・テイラー/穴掘りに行く豚がいた/私のロビンは緑の森へ/マックスウェル卿のおやすみ/マールボロー公爵のファンファーレ/緑の牧場で楽しく踊ろう/スコットランドのストラススペイとリール/2つの歌/リスボン/行方不明のお嬢さんが見つかった/シャロー・ブラウン
ピーター・ピアーズ(テノール)、ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)、アンブロジアン・シンガーズ、ヴィオラ・タナード(ピアノ)、ベンジャミン・ブリテン(ピアノ)
イギリス室内管弦楽団、指揮:ベンジャミン・ブリテン
録音: 1968年

