佐渡裕指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団デビューCD:「開幕の祈り」
2006年 03月 25日

このCDは、昨年10月、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして誕生した兵庫芸術文化センター管弦楽団と芸術監督佐渡裕によるデビューCDになります。犠牲者への祈りと復興への感謝を込めてレコーディングされた入魂のアダージョALBUMだということなのですが、こういうと、いつぞやのアダージョ・○○ヤンといった売らんがための陳腐な企画CDを連想いたしますが、いや、彼らが兵庫芸術文化センターの杮落としにおける「第9」演奏を実際に耳にし、「まだこれからのオケだな」と素直に感じたわが身としては、「えっ、なかなかいいじゃない」と意外な驚きを感じました。癒し系のライト・クラシック・ミュージックといっていい人気曲を集めた選曲(笑)で、何か魂胆じみたものを感じないといえば嘘になるのですが、このCDを作るためだけに、1週間にもおよぶ録音プロジェクトを設定したとのこと。なるほどね。確かに、佐渡氏の意図が団員にちゃんと伝わった丁寧なツクリになっている感はいたします。
収録された演奏はいづれも、一定水準はクリアーしているのですが、特にこれはいいと思ったのが、マーラーと独奏者シャノン・オームを迎えた「クラリネット協奏曲第2楽章」でしょうか。
なお、問題なのは、CD/SA-CDハイブリッド仕様となっているため、3000円という料金設定となっていることであります。
1.弦楽のためのアダージョ(バーバー)
2.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(マスカーニ)
3.クラリネット協奏曲~第2楽章(モーツァルト)
4.交響曲第5番~アダージェット(マーラー)
5.アンダンテ・カンタービレ(チャイコフスキー)
6.ラルゲット(チャイコフスキー)
7.ヴォカリーズ(ラフマニノフ)
8.G線上のアリア(バッハ)
指揮: 佐渡裕
演奏: 兵庫芸術文化センター管弦楽団
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
