「大澤壽人、歌とピアノ」(2)
2006年 03月 12日

今回は、ピアノ作品。
演奏作品は、プレリュード、6つのカプリッティ、小奏鳴曲ホ短調の3曲でしたが、いすずれも、演奏会用に作曲した20代の作品。
◇プレリュード
3楽章で構成。1楽章はちょっと気だるい感のある綺麗な曲。2楽章は日本的な情緒満載。3楽章は明るい動きのある曲。なかなか洒落っ気も感じられました。
◇6つのカプリッティ
カプリッティとは、小さなカプリッチョという意味。30秒ぐらいの小曲が6つ。ドビュッシー、ラヴェル、バルトーク、プロコフィエフ、etc.・・・いろいろな音楽家が顔をのぞかせるのですが、そんな中にも大澤氏独特の表情も垣間見れるのであります。個人的には、この曲が一番面白かったですね。
◇小奏鳴曲ホ短調
カタカナで書くと小奏鳴曲はソナチネとなるのでしょうか。唯一楽譜が出版されたピアノ曲がこれだとか。結構、大曲なのですが、かなり複雑で込み入った内容のある曲で飽きさせません。この曲も3楽章で構成されているのですが、大澤氏のやる気が詰まっています。たぶん、傑作。
第1楽章
ダイナミックなプロコフィエフのガンガンいくピアノもあれば、メロディアスな旋律が登場。なかなか複雑。
第2楽章
極めて内省的できかせてくれます。
第3楽章
動きのあるダイナミックな連打でスタート。あの手この手で実に変化に富んでいます。転調やリズムの変化を複雑に繰り返します。