バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣
2006年 02月 06日
1920年頃、ロシア革命を逃れて、フェドール・モロゾフ氏が一家をつれ神戸の地にやって来たのであります。このモロゾフ氏も、同じ頃神戸にやって来たゴンチャロフ氏もロシア・ロマノフ宮廷の菓子料理職人でありました。
そして、1926年にモロゾフ氏は神戸三宮のトアロードにチョコレート専門店を開きます。その店の名は「バレンタイン・コンフェクショナリー」であります。どうして「バレンタイン~」なのかというと、モロゾフ氏のご子息の名前がバレンタインだったのであります。なお、三代目もバレンタイン・モロゾフ氏とのこと。
そして、1936年に初代モロゾフ氏がロシア菓子店「コスモポリタン」を開くのであります。その頃、彼が英字新聞で、セント・バレンタインディーチョコレートを贈ってはと神戸在留の外国人に呼びかけたそうです。まあ、当時、日本人には広まらなかったようですが。

ところで、神戸には、別にモロゾフという洋菓子屋がありますが、全く別物です。モロゾフという名を先に商標登録してしまったようですね。
なお、実際に日本人の間に広まったのはずっと後だったようで、1958年(昭和33年)のこと。東京のメリーチョコレートが、東京・新宿の伊勢丹デパートで「バレンタインには女性から男性へチョコレートを贈りましょう」というキャンペーンを行なったのですが、このキャンペーンこそ、女性から男性へという日本独特のバレンタインの起源のようですね。
なお、チョコレートを女性から男性に贈るというのは日本固有の習慣のようですが、チョコレートを贈る習慣としては英国のキャドバリー社が元祖のようです。同社はギフト用チョコレートボックスを既に作っていたようです。
●コスモポリタン製菓HP