クルムフォルツ:フルートとハープのためのソナタ ヘ長調
2006年 02月 05日
●ランパルによるプーランクのフルート・ソナタを聴きたくて、エラート盤の「Famous Flute Music」を購入したのですが、そのなかに、ジャン=バティスト・クルムフォルツの「フルートとハープのためのソナタ ヘ長調」という曲がありました。おそらく、皆様、「ああ、あの曲ね」とお答えになる方はほとんど無いと存じますが、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」と並ぶほどの名曲とは言えないものの、平明かつ典雅な、なかなかの佳曲であります。ちなみに、ハープは、リリー・ラスキーヌ。クルムフォルツ:フルートとハープのためのソナタ ヘ長調
第1楽章:Allegro
第2楽章:Romanze
第3楽章:Tempo di minuetto
●解説によると、クルムフォルツ(1747~1790)はプラハ出身でフランスで活躍した作曲家。ほぼ、モーツァルトと活動時期が重なっていますね。彼は当代随一のハーピストで、若い頃エステルハージ候の宮廷楽団に所属しハイドンにも学んだと伝えられているそうな。
彼は1777年にはパリに赴き、ハープのヴィルトゥオーゾとして、または教師として活躍しています。ということは、モーツァルトが「フルートとハープのための協奏曲」を作曲したのが、1778年ですから、クルムフォルツがモーツァルトとパリの何処かで出会っている可能性もありでしょうか。
●なお、パリで、ピアノ製作者セバスチャン・エラールとともにペダル付きのハープの開発に貢献したことでも名高いらしいですが、ハープのための作品を数多く残しており、協奏曲が8曲、ソナタが32曲に上るとのこと。いつか、その他の曲も耳にしてみたいところであります。
●ところで、彼は悲劇的な結末を迎えておりまして、ハープ奏者であった妻が駆け落ちしたのを悲観して、最期はセーヌ川に身を投げたそうです。

