モンポウ:インプロペリア
2006年 01月 30日

●モンポウは、この曲を作曲中、モンポウがパリ遊学中に知り合った親友であったプーランクが亡くなったとのこと。プーランクの「スターバト・マーテル」に感銘を受けたモンポウは、友の死に接し、高い祈りの境地でこの曲を作曲したそうです。
●もともと、スペインの重要な宗教イベントである「クエンカ宗教音楽週間」からの依頼に応じて作曲されたもの。「インプロペリア」とはラテン語で「叱責」を意味します。十字架がに架けられたキリストが群集に向かって、彼らの不信を詰る悲痛な言葉に曲を付けたもので、これはキリスト受難の日、つまり聖金曜日のための音楽ですね。バリトン独唱、合唱、管弦楽による作品となっています。オケのみによる「前奏曲」に始まり、キリストの言葉である6つの部分が続いた後、十字架への讃仰を歌ったアンティフォナと呼ばれる歌で締めくくられます。
●曲は、内容からして、切実さ、重さ、激しさを持ったものですが、やっぱり、モンポウ。彼のピアノ作品とい同様、優しさとほの暗い詩情を感じさせます。
●私が持っておりますCDは、ポンス指揮テアトル・リウル・オーケストラによる仏アルモニア・ムンディ盤。私は、このポンスという指揮者がどういう御仁なのかほとんど存じ上げないのですが、モンポウゆかりのバルセロナゆかりの指揮者とのこと。そういうこともあってか、私には、モンポウらしいほの暗い詩情性をうまく捉えていると思います。