スタンダールとオペラ
2006年 01月 23日
スタンダール(1783~1842)といえば、「パルムの僧院」、「赤と黒」といった傑作で名高いフランスの文豪ですが、今日、1月23日は彼の誕生日とのこと。なお、彼は音楽についての造詣も深く、数多くのオペラ評やエッセイも残していますが、当時は、ロッシーニ(1792~1868)が欧州中を席捲している時期にあたり、「ロッシーニ伝」を残し、当時のロッシーニ・ブームの狂乱振りを次のとおり伝えております。
ナポレオンは死んだが、また別の男が出現して、モスクワでもナポリでも、ロンドンでもウィーンでも、パリでもカルカッタでも、連日話題になっている。この男の栄光は、文明の及ぶ境界に制限されるだけである。しかもまだ32歳にもならないのだ。
スタンダールはフランス人ですが、ナポレオンの遠征に従軍してイタリアを訪れて以来大のイタリアびいきになりました。ナポレオン失脚後(当然スタンダールも職を失います)、ミラノへ半ば亡命する形で移住、1814年から21年までという、まさにロッシーニ旋風真っ只中の時期をミラノで過ごし、スカラ座へも度々足を運んだようであります。スタンダールは、パリに戻り、1823年「ロッシーニ伝」を刊行。ロッシーニが後を追うように、パリに移住し、パリでもロッシーニ・ブームがおこり、スタンダール自身も、1824年からパリでイタリアオペラを上演するイタリア座の公演の新聞評を担当することになります。
さて、スタンダールは、パリのオペラ・ガルニエのすぐ傍の路上で脳溢血の発作を起こして倒れ、晩年滞在していた近くのホテルに担ぎこまれ息を引き取るのですが、現在、「ル・スタンダール・ホテル」という4つ星ホテルとなっています。入り口は狭いのですが、なかなか、内装も豪華で、4つ星に恥じない立派なホテルですね。ちょうど、ヘミングウェイゆかりのバー「ハリーズ・バー」のすぐ近く。なお、スタンダールが倒れた場所も、息を引き取ったホテルの入り口にも、その旨のプラークが壁に埋め込まれています。
オペラ座の近くで亡くなったというのも、音楽、特にオペラの造詣が深いスタンダールらしいなあという感がいたします。

