エルネスト・ショーソン:交響詩「ヴィヴィアン」
2006年 01月 20日

ということで、ショーソンに経緯を評して、昨年、ご紹介そびれた彼の作品を一年遅れですが、この際ご紹介しょうと考えた次第。
まあ、マイナーなところかもしれませんが、交響詩「ヴィヴィアン」をば取り上げます。
この曲は、印象派絵画で高名な画家オーギュスト・ルノワールの仲介で知り合った、将来の婦人となるジャンヌ・エギュスデに献呈されているのですが、最も、ショーソンが傾倒していたワーグナーの影響が最も色強く反映した作品だと推察されます(たぶん)。
この作品は、アーサー王物語、つまり、「円卓の騎士」の一連のエピソードに基づくストーリーを交響詩として構築したものですが、かいつまんで言えば、ヴィヴィアンと魔法使いメルランの愛の物語。まあ、ショーソン自身と将来の婦人をメルランとヴィヴィアンになぞったのでありましょう。ところで、ヴィヴィアンは、騎士ラーンスロットの守護である美しい女性の妖精で、湖の中の館に暮らしているアーサー王に聖剣エクスカリバーを与えたといえば、「ああ、あれね。」とご理解いただけるかもしれませんね。なお、ヴィヴィアンは「湖の貴婦人」と呼ばれており、確か、ニュー・ジーランドのどこかの湖の遊覧船の名前が確かヴィヴィアンだったような・・・。
曲はワーグナー風の幻想的作品で、ワーグナー作品のように、あちこちで、ライトモチーフが多用されています。といいながらも、セルティック(ケルト風)の旋律が耽美的な情景を醸し出し、なかなかの魅力的作品であります。
さて、お薦め音盤ですが、以前、Dr.円海山がご紹介しておられましたアルミン・ジョルダン指揮パーゼル交響楽団によるエラート盤(ショーソンの交響曲がカップリング)でしょうか。
つーか、私は、これしかもっておりません(笑)。
