ルネサンス期の古楽器(2)ヴィオラ・ダ・ガンバ
2005年 12月 25日
ヴィオラ・ダ・ガンバ(イタリア語)は、英語・フランス語ではヴィオールですね。16世紀から18世紀の中頃まで広く用いられた、弓でこすって音を出す擦弦楽器のひとつ。私は、存じ上げなかったのですが、ヴィオラはもともとイタリア語で弓奏弦楽器という意味とのこと。ガンバは、今年、Jリーグを制した大阪ガンバのガンバ。脚という意味ですね。ですから、直訳すると「脚の弓奏弦楽器」ということになります。 一見ヴァイオリンに似ていますが、胴とネックの接合部がやや緩やかなカーブであること、裏板が平らなこと、響孔が一般的にC字型であること、弦が6本であること、指板の表面を区切るフレットがあること、弓は下から持って演奏することなどの違いがあります。
ヴィオラ・ダ・ガンバの起源は、スペインの撥弦楽器ビウエラ を、ムーア人が弓奏したことから発生したと考えられています。
現在の形になったのは16世紀初頭ですが、初期にはギターのように斜めにかまえて演奏されました。なおガンバ の名の由来になった、両膝の間に保持する演奏形式が取られるようになったのは、16世紀半ば頃だとされています。
最盛期には非常に一般的な擦弦楽器でしたが、ロマン派、古典派の時代にすたれて以来、忘れられた楽器のひとつになってしまいました。
マラン・マレが主人公となっておりました映画「めぐり逢う朝」で大きくこの楽器がとりあげられていましたね。

