ルネサンス期の古楽器(1)リュート
2005年 12月 25日
リュートは、14~18世紀にヨーロッパで広くもちいられた撥弦楽器(弦をはじいて音をだす楽器)。リュートのルーツはアラビアのウードで、中世にヨーロッパに伝わりました。中近東では今なお、リュートが使われているそうです。
平らな響板と、梨形の胴体をもち、後方に折れ曲がった糸蔵を持つフレット付きの棹に、復弦(同じ音を出す弦が2本1組になっている)が張られているというリュートの基本的な形は、1500年ごろまでに完成。
ルネサンス期のリュートの弦は、複弦6組が基本で、ガット弦(羊の腸膜をねじって作った弦)がはられていました。
バロック時代になると、復弦6コースに低音弦(通常4本)が追加されたものが一般的になります。また、この時代にはテオルボやキタローネ、といった低音専門の大型リュートもつくられました。
1700年頃になると、ガットを金属でまいた弦が導入されるようになり、弦を長くしなくても低音が出せるようになります。
リュートは調律が難しかったこともあり、18世紀に入ると徐々にギターやマンドリンにとって代わられ、19世紀にはほとんど使用されなくなりました。
フェルメールの「恋文」で女性が持っているのはもちろんリュートだと思っていたらkasumyon様からこれはシタールという楽器だと説明があった旨のご指摘がありました。そうでしたね。
なお、次の絵は、カラバッジオの「リュート弾き」 (1596頃、エルミタージュ美術館蔵)です。


