ファーブル美術館所蔵 魅惑の17−19世紀フランス絵画展(5)オーギュスト・クールベ
2005年 11月 29日
今回の絵画展で、クールベの「出会い、こんにちはクールベさん」が、同絵画展のポスターに使われていたことでもあるように、フランス近代絵画の中で重要作品であることは、間違いないところなのですが、はたして、芸術性の視点から、この絵が果たして素晴らしい作品といえるのか、微妙なところではないかと感じております。あくまで、個人的見解ですが。私、個人的には、写実主義のプロパガンダ的性格を有する「画家のアトリエ」、「オルナンの埋葬」やこの「出会い、こんにちはクールベさん」などよりも、彼が度々描いたエトルタなどの風景画や、一連の波を描いた作品などの方が引きつけられるところが大きいのであります。

彼の功績といえば、時の画壇の潮流であった、新古典主義に代表される絵画の理想化を拒否し、ドーミエとジャン・フランソワ・ミレー等とともに、視覚に忠実なレアリスムを確立したことには違いないのですが。
どうしても、彼の主張が鼻につくのであります。
ところで、彼は「生まれながらの共和主義者」と言っていたほど、社会的関心が高い画家であり、それゆえにスイスに亡命せざるを得なくなってしまったのであります。
そのような彼は、1848年の革命とそれに次ぐ、第二共和制は彼にとって理想そのものでした。
その理想を踏みにじったのがナポレオン3世であり、彼が愛好し、支援を惜しまなかったカバネル等の新古典主義の画家たちを敵視していました。
第二帝政時代、ナポレオン3世は、クールベにレジオン・ドヌール勲章を授与しようとしましたが、クールベは、「それよりも私は自由が欲しい」と拒絶したのであります。

