マイケル・トーキー:「After the Forest Fire」
2005年 10月 30日
マイケル・トーキーは、彼の前世代が行った、音型の繰り返しによる造形・ミニマリズムに、クラシック音楽の伝統と、今日のポップスの世界を融合させ、ポスト・ミニマリズムの流れを創った、アメリカ現代音楽の旗手の一人。
彼の代表作となるとウォルト・ディズニー委嘱のオラトリオ「四季」、NYシティー・オペラのための「ストロベリー・フィールド」は、彼の作品の中でも名高いものとなっています。
今回演奏された、「After the Forest Fire マリンバ・フルート・チェロのための」は、マリンバ奏者名倉誠人のために作曲されたもの。
曲の冒頭では、起こったばかりの森林火災の場で、黒焦げの名からか煙が立ち登る。チェロが悲しい旋律を演奏し始め、次第にそれが勢いを増し、まるで周辺の鎮火したと思われた火が、再び燃え出すかのようだ。火災による破壊は、中々収まらない。しかし、ついに曲の最後では、明るい調性で、植物の芽が萌え出るかのような部分が始まり、森の再生を約束する。
彼の音楽を聴いて感じたのは、いかにも現代アメリカのクラシック音楽だなあという感じでしょうか。良質のアメリカン・テレビ・ドラマをクラシック音楽にしたような楽天的結末。言い換えれば、現代アメリカのベートーヴェン。

先ず、彼の音楽を体験しようと思ったら、ナクソスから出ておりましたので、それから始めてはどうでしょうか。
Michael Torke: Rapture; An American Abroad; Jasper [from US] [Import]
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