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ペトロス・オヴセピアン:そして、柱の影・・・第5部

私はアゼルバイジャン出身のペトロス・オヴセピアン氏の作品を聴くのが今回の名倉氏のマリンバリサイタルで初めて。というか、彼の作品が日本で紹介されるのは初めてとプログラムに書いています。

私は、演奏されたプログラムの中では、好みは別として、最も印象に残りました。

この曲でユニークだと感じたのは、演奏のパートと何も演奏しない「無」のパートが対峙して、それがあるときは対立し、侵食しあうというところ。

こんなこと書いても良くわからないでしょうから、先ず聴いてもらうことが肝要かとおもうのですが。なんといいますか、演奏されるパートとパートの間の何も演奏されない時間が結構長くて、これをFM放送なんかで聴くと絶対、放送事故だとして、クレームが殺到するんじゃないかと思います(笑)。

作曲家自身の言葉を借りると「幻想世界」と「現実世界」とを対話させ、交感させる試みとのこと。

「曲の表題の「柱」とその「影」は両極の世界を象徴し、それはまた、この作品の中で、内的なものと外的なものが対立する様子を示すものでもある。これらの全く異なる2つの世界を如何に解釈するか、その答えは、想像の森に足を深く踏み入れたときだけに、明らかになるだろう(ペトロス・オヴセピアン談)」

ところで、名倉氏から、テオドール・ルソーの絵画「冬の夕暮れの森」の印象をもとに作曲してほしいと依頼したとのこと。

「冬の夕暮れの森」の森は、パリの郊外フォンテンブローの森なんですが、実際、私、秋のフォンテンブローの森を歩き回ったことがあるのですが(きのこ狩りのため。セップ茸が美味しかった(笑))、いや実に美しいところであります。名倉さんは、実際に歩かれたのかな。

ところで、オヴセピアン氏自身、フォンテンブローの森ではありませんが、パリの北35キロほどの村の森で迷子になったとのこと。木々の間から沈もうとする日が見え、夕闇がどんどん濃くなって飲み込まれそうになったそうです。この時に見たのは、美しいと同時に恐れを感じるもので、恐怖と感嘆の気持ちが混在する瞬間であり、それがこの曲に反映されているとのこと。

次のテオドール・ルソーの絵は、名倉氏が依頼した絵でも、オヴセピアン氏が歩いた森でもありませんが、こんなイメージでしょうか。「夕暮れ」というタイトルの絵です。
ペトロス・オヴセピアン:そして、柱の影・・・第5部_b0063958_9532750.jpg

by tetsuwanco | 2005-10-30 08:50 | クラシック演奏会

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by てつわんこ
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