ルーヴル美術館展(5)ジャン オーギュスト ドミニク・アングル:「泉」
2005年 10月 01日

そして、当時、新古典主義に相対する立場に立ったのが、クールベ等の現実主義でありますね。
今回の美術展では写実主義作品は展示されませんでしたが、クールベはアングルの「泉」と同じ題材を取り上げた作品で、次のように描きました。

水がわき出るのは、壷ではなく、当然、川。そして、コルセットでウエストを絞った女の体も、均整の取れたものではなく、大きなお尻をしているのであります。逆に、生身の女性による迫力を感じ取ることができます。
クールベは、非現実的な理想を追い求めたアングルの「泉」を酷評したこと、言うまでもありません。
同じものを題材としても、これだけ、新古典主義と写実主義ではこれだけ違うのであります。