村上春樹と月見草

村上春樹さんの自伝的小説「風の歌を聴け」のなかで、「僕」が住む街「芦屋」を説明するくだりで次のとおり「月見草の繁った野原」というのが出てまいります。

「…僕は街の中をゆっくりと車で回ってみた。海から山に向かって伸びた惨めなほど細長い街だ。川とテニス・コート、ゴルフ・コース、ずらりと並んだ広い屋敷、壁そして壁、幾つかの小椅麗なレストラン、ブティック、古い図書館、月見草の繁った野原、猿の檻のある公園、街はいつも同じだった。…」

さて、「月見草の繁った野原」とはいったいどこなのか? 

古い図書館は、打出の図書館のことですし、猿の檻のある公園(もう今は猿はおりませんが)も打出にありますので、おそらく打出近辺であることが推測されるのであります。

学生時代ですから、20年以上前に、月見草の開花時期を調べて、「野原」のリサーチをしたことがあります。春樹さんが特筆した野原ですので、それは幻想的な風景だと、勝手に想像を膨らましていたのであります(笑)。それに、学生時代は、暇をもてあましておりましたし。

ところが、残念ながら月見草の野原を発見できなかったのであります。

ただ、月見草とは、黄色い花をイメージしていたのですが、実はそれは、マツヨイグサやオオマツヨイグサであるそうで、真性の月見草は、白い花であるそうですね。ついこのあいだ知りました。月見草はメキシコ原産のアカバナ科二年草で、日本には嘉永年間に渡来したといわれており、現在ではほとんど見られていないとのこと。

では、春樹さんが書いた「月見草の繁った野原」の月見草とは、白い真性の月見草なのでしょうか、それともまツヨイグサなのでしょうか。黄色い花のマツヨイグサの可能性が高いようですけど。

まあ、本人から聞くのが一番手っ取り早いでしょうが(笑)。

もし、春樹さんが書かれた「月見草の繁った野原」はどこなのか、ご存知の方、ご連絡いただければ幸いです(笑)。
by tetsuwanco | 2005-09-14 19:04 | たわごと

京阪神の地域密着情報を中心に情報提供します


by てつわんこ
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31