月餅について
2005年 09月 13日
明の時代、蒙古から中国に伝来したラマ教が盛んになるにつれ、ラマ僧の勢力が強くなり弊害が出てきました。そこで、ラマ僧追放決起の回章を饅頭の中に入れ同士に配布し、8月15日に実行、ラマ僧を追放したのです。しかし、冠婚葬祭のすべてをラマ教の儀式で行っていた習慣はなかなか消えず、今更ながら彼らをしのび、十五夜を迎えるたびに、回章を入れた饅頭の故事を記念してこの菓子を作り、贈答するようになりました。名月にちなんでこの菓子を"月餅"と称したということです。
現在、中国では陰暦8月15日の中秋節の時期、大々的に月餅が発売されます。日本のバレンタインデーさながらの盛り上がりで、友人への贈り物に使われたり、また種々の果物・野菜と一緒に供え、一家の円満を祈る習慣があります。月を眺めながら、味わってみるのもオツですね。
なお、年々、中国では、この習慣がエスカレートして、中には賄賂として、月餅が使われることもあるそうで、当局も、取り締まりを開始したとか。