阪神名勝図会 ~市外居住のすすめ~(1)

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先日、芦屋市立美術博物館で開催中の歴史企画展「阪神名勝図会 ~市外居住のすすめ~」に足を運んでまいりました。

「阪神名勝図絵」は、大正5年に大阪朝日新聞に連載された図絵で、30点からなる彩色木版画集で、当時の阪神間の景観が描かれているものであります。

実は、当時の阪神電鉄は、市外、つまり沿線住民の増加を画策していたのでありますが、既に、明治41年に、「市外居住のすすめ」という冊子を発行しており、この図会の作成は、「市外居住」の促進を図るためのPRキットといったものだったのでしょう。
[阪神名勝図絵」は現在まで、その存在は知られながらも、全面的に紹介されたことはなかったとのこと。現在の阪神間というものが未だ形成される前の当時の阪神間の景観がどのようなものであったかを認識できるだけでなく、当時の技術的にも高いレベルに達した木版技術を再確認する上でも貴重な作品と言えるのではないでしょうか。

個人的には、懐かしいと感じるにはこの版画集で描かれた世界と現在の風景との差があまりにも大きいのですが、それでも、一部、私のかすかな記憶が版画に重なるものがありました。阪神間の風景は、阪神大水害、2度にわたる神戸大空襲、そして今から10年前の震災により、大きな変貌を遂げることとなりましたが、阪神間の原風景を確認するとともに、今後の阪神間の景観をどのようにしていくか、その原風景をどのように活かしていくのかを考える上で、意義深い美術展であると感じた次第であります。

歴史企画展
《阪神名勝図絵》
~市外居住のすすめ~

日時:
2005年7月16日(土)~8月21日(日)
10:00~17:00(入館16:30)
休館日:月曜日(但し7月18日開館、翌19日休館)
場所:
芦屋市立美術博物館 第2展示室
観覧料:
一般300(240)円
大高生200(160)円
中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*同時開催中の展覧会観覧料も含む
主催:
芦屋市立美術博物館、
財団法人芦屋市文化振興財団
展示協力:阪神電鉄
出品作品:阪神間地図1点/全作品目録1点/作品30点/タトウ6冊表紙カット/大阪朝日連載記事/『市外居住のすすめ』・『郊外生活』・絵ハガキ・大正期阪神間地図・阪神電鉄案内 など約60点。
by tetsuwanco | 2005-07-29 11:53 | アート

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by てつわんこ
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