「宇宙戦争」は「宇宙戦争(オリジナル版)」を超えたか
2005年 07月 14日
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リメイク版
H.G.ウェルズの熱烈なファンには申し訳ないのですが、SF小説としての「宇宙戦争」は、科学や社会が進歩していくなか、どうしてもストーリーが陳腐化してしまうのは止むを得ないところであります。もともと荒唐無稽な話には違いありませんが(笑)。
ですから、これを映画化する上で、いくらCGを駆使し、新たなヒューマン・ストーリーを追加して、スペクタルな感動巨編として再構築したとしても、所詮、A級映画の仮面を被ったB級映画でしかないと感じてしまうのであります。
誤解しないでください。B級映画がA級映画より劣っているという訳ではないのであります。オムライスやカレーライスの楽しみ方や奥深さは、別の意味でフランス料理の1枚のメイン・プラに勝るとも劣らないところであるのと同様、B級映画にはB級映画の楽しみ方があるのですね。
今回のリメイク版に比べると50年前に製作されたオリジナル「宇宙戦争」は、「これはB級映画だ、文句あっか」という潔さとCGに頼らない手作りの味わいがあった気がいたします。
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オリジナル版
結論を申し上げます。ネタは明かしませんが、今回登場の宇宙人と、50年前のタコとイカとカニを足して3で割ったような宇宙人を比べてみても、50年前の映画の方が、私にはずっと楽しめたのであります(笑)。