史跡乙訓古墳群 元稲荷古墳と桜
2020年 04月 16日

向日神社北側の勝山公園内にある、古墳時代前期初頭(3世紀末)の前方後方墳「元稲荷古墳」。

「元稲荷」の名は、後方部頂上にかつて向日神社の稲荷社があったことに由来しているとのこと。
全長約94メートル、後方部は長さ約50メートル、高さ約7メートル、前方部は長さ約43メートル、高さ約4メートルで、墳頂には特殊器台形埴輪と壺形土器が並べられていたと考えられているとのことですが、もちろん今はありません。

なお乙訓古墳群とは、京都府の旧乙訓郡域、桂川西岸の長岡丘陵周辺に所在する古墳群の総称。特に京都市西京区樫原(かたぎはら)から向日市、長岡京市にかけての長岡丘陵の稜線上に前期古墳が並ぶことで知られているとのこと。三角縁神獣鏡など複数の鏡が出土していることや、この古墳群の埴輪(はにわ)の検討が円筒埴輪編年の基礎となったことからも、この古墳群の重要性を理解していただくことが可能でしょう。

なお、桜の時期にもなりますと、元稲荷古墳は桜の花に囲まれ、美しく彩られます。
古墳に桜って、珍しい取り合わせでしょう(笑)。

(撮影:3月29日)