京の名残の桜を求めて(3)八坂庚申堂と桜
2017年 04月 26日

日本三大庚申のひとつで、日本最古の庚申堂でもある八坂庚申堂。京の東山の八坂の塔のすぐ傍、それも目立つ朱色の門ということからも、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
その朱色の門の傍らのサトザクラが満開となっていました。

八坂の塔と一緒に撮ってみました。

庚申とは干支の「庚(かのえ)」「申(さる)」の日。道教によると人間の体の中には※三尸(さんし)という虫がいて、庚申日の夜に寝ている人間の体を抜け出しては、天帝にその人間の悪行を告げ口し、寿命を縮めると信じられていました。そこで人々は長生きを願い、夜通し起きることで三尸が体から出て行くのを防ぎ、寿命が縮まないよう身を慎んだといいます。これが日本に伝わって習慣となり、「庚申待ち」と呼ばれ、人々は様々な行事をして夜を明かしたとのことです。
八坂庚申堂で一際目につくのが、何と言っても境内のいたるところに奉納されている「くくり猿」。カラフルな布地でつくられています。


くくり猿は手足をくくられて動けなくなった猿の姿のお守りなんですが、欲望のままに行動する猿を動けない姿にすることで、欲に走らないよう人間を戒めている訳。くくり猿に願いを込めて欲をひとつ我慢すると、願いを叶えてくれるそうですよ。
また猿は庚申の使いとされ、「見ざる、言わざる、聞かざる」の3匹の猿も境内のいたるところにいます。

5月3日はタレコ封じ祈祷会。ちなみに「タレコ」とは「失禁」とのことだそうな。

(撮影:4月20日)