京都の出町柳に名曲喫茶「柳月堂」あり

1月3日、久々の訪問となりました、京都の叡山電車出町柳から徒歩1分のところにある名曲喫茶「柳月堂」さん。

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扉を開けると、バッハの無伴奏チェロ組曲がかかっていました。この響きは・・・ロストロ・・・ロストロポーヴィッチの新盤だ。京都のお正月に相応しい。

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「私語厳禁」と書かれた部屋に約40席のいすが並ぶ。部屋の中央には大型スピーカーやアンプがでんと置いてある。正面の壁には、楽聖ベートーヴェンのデスマスク。

学生、教授、旅行者たちが、手紙や書類を書きながら、本を読みながら、あるいは何もせず、無言でレコードの音色に耳を傾けています。

店内はアンティーク家具が並び、柔らかい光の照明がともされている。時間に練られた重厚な雰囲気が詰まっていて、雑居ビルの2階にあるとは思えない。まさしく、異空間。今日日珍しいレコードを純粋に楽しむための名曲喫茶です。

その昔、柳月堂に来る学生で、すんなり4年で卒業できたら奇跡だと言われていたそうです。

入り口に置かれた五線譜があって、ここにリクエストの曲名を書き込むと、順番にかけてくれます。

バッハの無伴奏が終わって、ベートーベンの交響曲第5番ハ短調「運命」がかかります。久々に、聴きますね。トスカニーニのNBC響の録音です。演奏自体はともかく、トスカニーニが耳を悪くしてからの録音で、残響も少なく、キンキンするなど、録音についてはあまり評判は芳しくないのですが、ここのシステムで聴くと、不思議に居心地が良く、トスカニーニのもくろみが朧気ながら見えてくるような気がいたします。

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なお、どの演奏かは存じませんが、この柳月堂は、ベートーベンの交響曲第5番ハ短調「運命」の1枚のレコードから始まったそうです。

チャージは500円で、コーヒー一杯で1,000円を超えてしまいますが、この素晴らしい環境を護るためには仕方ない、いや安い、お釣りをもらったという感じですよ。

クラシックファンなら、この名曲喫茶に足を運ぶために、京都を訪れても、決して後悔しないでしょう。

なお、おしゃべりを楽しめるためのコーナーもあります。アンティーク家具は神戸から阪神大震災前日に届けられたそうです。

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by tetsuwanco | 2016-01-10 08:21 | 名曲喫茶情報

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by てつわんこ
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