ルーヴル美術館展(3)クエンティン・マセイス「両替商とその妻」
2015年 07月 10日
おそらく、彼の代表作の一つとして掲げられることの多い「両替商とその妻」は、描写的ではあるけれど、それよりも、寓意と教訓(虚栄心の象徴、審判の天秤といったキリスト教のシンボル)をこめた作品と思われます。

ただ、時には、彼の作品で見られる彼のグロテスク趣味はこの作品には、感じられません。
さて、注目すべきは、机、前方に置かれた細部が見事な小さな鏡。
細部が見事な鏡は、ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵のファン・エイクの「アルノルフィーニ夫婦(1434年)」にも見られる鏡の技法を思い出させてくれます。また、こちらも夫婦を描いたものですし、しかも、職業は銀行家でした。

そういえば、何やら、服装もやけに時代が古そうですし、ファン・エイクばりの緻密さから、この絵が実はファン・エイクの紛失した作品を模倣したものではないかと言う説もありましたね。

