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映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』を見てきました

作家でもあり、時代考証家でもあった杉浦日向子さんが、奇行の絵師として知られる葛飾北斎を中心とした実在の人物たちを軸に、江戸の風俗や庶民の生活を描いた傑作漫画作品を映画化したもの。

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Miss HOKUSAIことお栄さんと早くして病で亡くなった杉浦日向子さん自身がだぶって見えてしまいます。

■お栄(葛飾応為)について
残存する数少ないお栄(葛飾応為)さんの作品から歴史に埋もれた天才絵師と過大に評価するのはどうかとも思うけれど、確かに彼女の残した作品の中、たとえば映画の中でも登場していた「吉原格子先之図」や「夜桜美人図」などには、従来の浮世絵とは一線を画するものがあることも事実。

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    ↑吉原格子先之図
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                ↑夜桜美人図

■池田 善次郎(渓斎英泉)
北斎宅の居候であったという設定の池田 善次郎は、後の渓斎英泉ですね。多くの作品が残されたということは、当時は絵師として売れっ子であったということ。逆に、希少性が無いということから価値が低く抑えられ、現在では過小評価されている側面があるのかもしれませんね。

彼の名前が知られているのは、あのゴッホが英泉の浮世絵を模写したことによるものだと思うのですが、それだけでは何かしら寂しいところです。

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■岩窪 初五郎(魚屋北渓)
北斎門人の中では、蹄斎北馬とともに双璧とされるそうですね。四谷鮫ヶ橋で母里藩主松平家御用達の魚屋を営んでいたので魚屋と称しているとのこと。ところで、池田善治郎が武士の出で、岩窪初五郎が魚屋、それで、同じ浮世絵師。江戸も幕末に近づいてくると、身分制に基づく封建社会の世も、綻びを見せつつあること、こういうところにも、見ることができるのですね。


■歌川国直
歌川豊国門下を代表する絵師だが、対立する北斎を尊崇する若手売れっ子絵師。信濃生まれということですので、北斎と同郷なんですね。


■日本橋
この映画の舞台はもちろん、江戸ですが、その象徴的景観として、日本橋が度々登場。もちろん、今では拝むことができない風景ですが、登場する浮世絵師が描いている作品が残っていますね。彼らの浮世絵から、今から二〇〇年前の日本橋を描いてみたのでしょうか。

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by tetsuwanco | 2015-05-28 19:57 | スクリーン

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by てつわんこ
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