もはや「となりの人間国宝」認定レベル 老舗大衆食堂篠田屋の「皿盛」と「中華そば」
2015年 05月 22日

看板、提灯、入口のガラス戸、ある意味完成されたものを感じさせられたものがあります。
年期がいった扉(よく西部劇で見かける酒場の扉です)をギイッと開けて中に入るや、いにしえのオーラに包まれます。おっと、昭和30年かそれとも40年代初頭と思われる店前の路面電車の写真も飾られています。
テーブルが8つほどと小上がりが2卓。古いけど清潔です。BGM無しの暗めの店内にお客さんは、みな静かにご飯を食べておられます。
う~ん、詫び寂びを感じさせられます(笑)。店内は昭和の佇まいがそのまま残る飴色になった映画のセットのような作りです。この店、そのままロケに使えます
よ。
さて、いただいたのは、低価格で京男京女の胃袋を満たしてきた篠田屋が誇るB級グルメ「皿盛(さらもり)」と一番人気の中華そば。
■皿盛は、カタクリ粉でとろみをつけたかんじのカレーうどんのルーに かつがのっかているもの。決してカツカレーではありません。600円。ダシのきいたカレーあんかけが美味しく、ほっとする旨味です。

元々は丼物だったそうですが、京阪電鉄の駅員さんの要望で、皿に盛るようになり、現在の形の皿盛が誕生したとか。日本の食文化にカレーが浸透する過程で、一般的な洋風カレーではない、いわば和のテイストの京風カレーが生まれてきたのだと思いますが、それが看板メニューとして脈々と受け継がれているのが凄いと言えば凄い。

もはやこれは「食の文化財」。少なくとも「となりの人間国宝」に認定せねば。
■中華そば
今時珍しい昔ながらの味わいのあっさりとした鶏ガラ醤油味。端正な味わいで、心安らぐ一品ですね。飲んだ後に、とても優しいほっこりとしたお味。

これは、ラーメンではなく、まさしく中華そば。それも特上の昭和の中華そばです。お鉢には、おきまりの中華の渦巻きマーク。これで、鳴門の薄切りが一枚乗っかっていたら完璧なんですが(笑)。
予め、ご丁寧にコショウがかかっていますが、コショウ抜きのオーダーも可能。中細のストレート麺でわずか500円です。

一杯のラーメンに閉じ込められた無限大の満足感が半端でなく、完成度極めて高し。
◆篠田屋
京都市東山区三条通大橋東入大橋町111
電話:075-752-0296
営業時間:平日10:00~15:00、16:30~19:00
日祝 10:30~19:00
定休日:土曜日