むじな地蔵 ~信濃・善光寺~
2014年 08月 19日
昔々、下総の国(いまの千葉県・茨城県の一部)に一匹のムジナが住んでいました。自分自身が生きていくために、ほかの生き物の命を奪いますが、ムジナは生き物を殺して生きている自分の身を恥じ、次の世には別の生き物に生まれ変わりたいと切に願い、ある時、ムジナは人の姿に化け、善光寺参りの講中にまじって善光寺へとやってきました。 善光寺にお参りをして灯籠を寄進すれば、きっと自分も望み通り生まれ変われるに違いないと信じ、そのムジナは、人の姿に化けて信州信濃の善光寺にやって来たのです。
ようやく、白蓮坊という宿坊を宿に定め風呂に入ることにしたが、安堵による気の緩みからか、ムジナの姿で湯に入ってしまった。そこで見つかり、あわててどこかへ逃げ去ってしまいます。
姿を消したムジナを不憫に思った住職は、その心を知り、かわりに一基の灯籠をたててあげました。 今でも善光寺境内の経蔵北側に残っている「むじな灯籠」がそれだといわれています。
善光寺のの仁王門の、本堂に向かって手前右側に白蓮坊があって、ぞの前にあるのが、ムジナ伝説を今に伝えるむじな地蔵です。

奈良の公式キャラクターである「せんとくん」に似ていると思っていたら作家は同じ彫刻家の籔内佐斗司氏でした。
手のひらにのる小さなムジナ愛嬌があっていいですね。
