カリエールが活躍した同時代に台頭していた印象派が外の光へ目を向けたのに対して、彼は心の内へ興味を向け、「カリエールの霧」と呼ばれる、人物の感情が滲み出てきたかのような、独特の褐色の霧がかったような画面が特徴的。
カリエールはまた、「母性」をテーマとした作品でも名高く、今次展覧会のカリエール作品「病気の子ども」もそんな彼の極めて質の高い作品です。
19世紀は、今と比べて、子どもの死というのはそう珍しいものではなかったのでしょう。
赤ん坊のだらんとした手から何か落ちたのでしょうか。 床すれすれに落ちかけているものを子どもが素早く防ごうとしていますが、間に合いそうもありません。赤ん坊の命が極めて厳しい状況にあることをさりげなく表現しているのでしょうか。
ウジューヌ・カリエール 「病気の子ども」1885年 油彩・カンヴァス オルセー美術館
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