妙心寺退蔵院の「狩野元信の庭」、「余香園」
2014年 07月 26日
初期水墨画の代表作である如拙が描いた国宝「瓢鯰図」を所蔵することで知られる退蔵院。
瓢鯰図に因んで、瓦にも瓢と鯰。
この退蔵院には、元信の庭と余香園の2つの庭園があります。
先ずは元信の庭。
狩野元信の作と伝わる枯山水の優美な庭園で、史跡名勝に指定されています。室町時代の絵師で、狩野派の絵画様式の確立者といわれる狩野元信の作であると伝えられることから、「元信の庭」と呼ばれています。
以前は、方丈に上がることができて、方丈から「元信の庭」の全貌を眺めることができたのですが、現在は、見る方向が限定されてしまってちょっと残念です。
そして、もう一つの庭余香苑。
余香苑は昭和38~40年(1963~65年)にかけて、造園家・庭園研究家として名高かった中根金作氏の設計・施工で作られました。敷地に入って左右にそれぞれ「陽の庭」・「陰の庭」と名づけられた枯山水の庭があります。
さらに進んで、水琴窟のある蹲踞(つくばい)の脇を通って小坂を下り、最も低い位置にある藤棚付近から振り返ると、流れ・池を含む庭の全景が見渡せるようになっています。
開放的で親しみやすい庭園で、昭和を代表する庭園というのも頷けます。
水面に浮かぶ蓮の花も文字通り華を添えていました。