「北澤美術館所蔵コレクション ガレとドーム 四季の花」展でシロクマに遭遇
2013年 12月 29日
エミール・ガレとドーム兄弟、それぞれの代表作でも、彼らの製作活動の全貌を網羅したものではありません。特にエミール・ガレの作品の芸術性は、その美しさのその先にあるので、彼の芸術性の神髄を垣間見るレベルにはないかとも思いますが、今回は、「四季の花」をテーマに設定していることもあり、見た目に美しい作品が揃っていて、相応に堪能できました。
ところで、今回、特に印象に残った作品は、ガレ自身の作品というよりも、エミール・ガレ没後の工房による作品。
生産規模が拡大され、芸術的視点からは、どうかと思うのですが、1920年代に入り、従来は見られなかった白熊や像など、動物をモティーフにした作品がレパートリーに加わることになります。
この「白熊文花器」もその一つ。当時、ちょうど、アムンゼンやスコットなど北極圏への探検が話題を呼び、シロクマがモティーフとして取り上げられたのかもしれません。
そういえば、フランソワ・ポンポンがあの愛らしいシロクマ像を製作したのもこの頃です。