茅の輪くぐり @神戸・生田神社
2013年 07月 09日

旧暦六月晦日の行われる祓えである『夏越の大祓』では、茅(ちがや)で大きな輪を作り、この輪をくぐり抜ける事により、身の不浄を祓い落とします。この時期は1年で最も暑く湿度も高いため、流行病が蔓延し易い時期で、特に有効な治療法もなかった時代は、身体の禊祓によりこの時期を乗り越えようとしたのであります。

茅の輪くぐりの由来は、備後国風土記逸文に見える蘇民将来の話が有名。
「ある村に蘇民将来と巨旦将来という兄弟がいました。あるとき、武塔神(素盞嗚/須佐雄)が宿を乞うたところ、裕福な弟の巨旦将来が拒否しましたが、貧しい兄の蘇民将来は厚くもてなしました。
数年後、神が眷属を引き連れて村を再訪。蘇民将来とその家族の腰に茅の輪をつけさせると、神力を以って疫を起こし、巨旦将来をはじめとする他の者をことごとく滅ぼしました。神は、「吾は速須佐雄の神なり。後の世に疫気あらば、汝、蘇民将来の子孫と云ひて茅の輪を以ちて腰に着けたる人免れなむ。」といって去ったということです。
その後、腰に着けなくても、大きな茅の輪をくぐることで祓えとなるとして、茅の輪くぐりが広まったそうです。
