シーボルトと日本と音楽と
2005年 02月 18日

たしか、3~4年前、神戸の市立博物館で、タイトルはどういうものか忘れてしまったのですが(「目で見る音楽」といった名称だったと思うのですが)、日本においてクラシック音楽がどのように普及してきたかを絵画でたどるといった内容のものがありました。その中で、シーボルトについて興味深い展示があったと記憶しております。
シーボルトは、日本のクラシック音楽のパイオニアといわれている瀧廉太郎が作曲した歌曲のなんと、60年以上も前に、日本をテーマに、ピアノ曲を作曲していたとのことであります。その楽譜は、現在、東京藝術大学に保存されているとのことでありました。さらにその楽譜をもとに、東京藝術大学学生(当時)の前田健治さんによるピアノ演奏として、キングレコードよりCDも出されたとのことであります。私は、CDは持っておりませんが、博物館でそのピアノ曲の演奏に接することができました。
ヤパーニッシェ・メローディエン=日本の旋律と題するピアノ曲は、2、3分の小品7曲から構成されております。第4曲には「坊主にかっぽれ」というひょうきんなタイトルがつけられており、その旋律が当時日本で流行っていた流行歌の「かっぽれ」から取られているとのことなんですが、聴いた感じでは、どう聴いても、典型的なヨーロッパの古典派の音楽そのもので、標題からはとても創造できないものでありました。
なお、日本に初めてピアノを持ち込んだのもシーボルトだったとのことであります。
彼の手書きの採譜メモも残されており、シーボルトは、日本の「歌」や器楽曲の旋律を五線譜にしたため、オランダに持って帰ったようですね。