~京都御苑内の弁天様~ 御所の弁天(白雲神社)と池の弁天(厳島神社)
2012年 12月 31日
◆御所の弁天
御所の弁天様こと、白雲神社は、旧西園寺家の鎮守社で、祭神は市杵島姫命、妙音弁財天とも称し、音楽の神様としても信仰されています。西園寺家の歴代当主は宮中にて天皇や上皇などに琵琶の教授を行ってきたこともあり、琵琶を奏する弁財天をお祀りしたようですね。実は、前回ご紹介した出町妙音弁財天とはお互いに姉妹関係にあります。

1224年(元仁1)、西園寺公経が北山殿(現在の金閣寺の地)造営の際に建立した妙音堂に由来されるのですが、その後幾多の変転を経て、1769年(明和6)、西園寺邸の移転と共に現在地に移り再興、禁裏御祈祷所と定められ、また庶人の信仰も集めるようになったとのこと。明治の東京遷都に伴い西園寺家は東京へ移り、妙音堂は廃祀の危機に合うものの、地元有志の尽力により存続、、かつての鎮座地名をとり現社名に改められ、現在に至るとのこと。


◆池の弁天
そして、次は、厳島神社。
厳島神社というと広島県にあるものが有名ですが、京都御苑内に建つ厳島神社は、平清盛が厳島大神を兵庫築島に勧請したのが始まりで、後に足利義晴が京都に移したものだとか。



平清盛との関わりから、弁天様とともに、平清盛の母との噂される祗園女御も併せ祀られているとともに、清盛が奉納したといわれる鳥居も残されています。なお、白雲神社が御所の弁天と呼ばれているのに対し、九条池の傍らに位置していることから池の弁天と呼ばれています。このあたり、のどかなところで、水鳥が遊び、ぼぉっとするには最適。
