彼岸花で赤く染められた葛城古道を歩く(1)六地蔵石仏
2012年 09月 29日
随所で奈良盆地を見渡せ、日本神話の神々のふるさとである高天原の伝承を残し、大王家の外戚として5世紀に栄えた大豪族・葛城氏の本拠地でもあった、のどかな道筋には、古代の謎とロマンを秘めた古社寺が点在しています。
その葛城古道が最も美しいのが秋。そして、葛城古道に秋の訪れを告げるのが、彼岸花でしょう。
今年は、残暑が厳しかったことから、彼岸花の開花が遅れていたのですが、見頃を迎えました。
スタートは、近鉄御所(ごせ)線駅の終点である近鉄御所駅。ここから、葛城古道の北の入口である六地蔵石仏まで歩きます。
まだまだこのあたり彼岸花は少ないですが、小さな石仏や古社が点在する趣のある道です。




真っ赤な唐辛子も干されていました。

そして、しばらく歩くと、道の真ん中に人の背丈ほどもある大きな石が・・・

六地蔵石仏です。
回りこんでみると、石に6体のお地蔵が刻まれています。


この地域は古代から中世にかけて、兄川の出水等により、度々災害が発生し、伝承によれば、六地蔵が彫られた大きな石も、室町時代に土石流が発生し、現在の場所に流れ着いたと言われています。
その大災害に対し、村人は仏教の六道をもって衆生を救うという、仏法の精神に照らし極楽浄土を願い、その頃に彫ったと思われています。
向かって右から天上道(日光菩薩)人間道(除蓋障菩薩)修羅道(持地菩薩)畜生道(宝印菩薩)餓鬼道(宝珠菩薩)地獄道(壇蛇菩薩)だとか。
(撮影:9月29日)