「おとなのけんか」と原題(=CARNAGE)の意味するもの
2012年 03月 13日

さすが、ポランスキー。すっきりとした構成の中で、二組の夫婦の仁義なきバトルを堪能できました。4人が4人とも芸達者ですし、会話のボクシングが楽しめました。
それにしても完成度の高い映画です。私の採点は文句無しの五つ星です。
子供の喧嘩を発端として、延々と二組の夫婦が言葉のバトルを延々と続けるのですが、オリジナルのタイトル「carnage」、戦場などの修羅場という意味です。つまり、まさに修羅場ですね。まあ、日本人だったらこんなことにはならないでしょう。自己主張の強いアメリカ人ならではの現象かな(笑)。
ところで、ポランスキーは、わざわざ、ニューヨークのマンハッタンの超高層建築群を背景とするブルックリン側の公園で始まり、その公園で終わらせています。
ロングストリート家で起きた「おとなのけんか(=carnage)」も、ラストシーンではその原因となった子供同士はちゃんと仲直り(笑)。あのおとぼけハムスターの大写しも笑わせてくれます。まさに平和そのもの。何事も、「Carnage、修羅場」が無かったように。
でも、ブルックリン側から見たマンハッタンの景色を見て、ごく普通のアメリカ人ならば、決して忘れることができないものがあります。そう、「9.11」の同時多発テロ。
ポランスキーが、わざわざ、映画をこのような構成にしたのは、やはり「9.11」を何かしら意図したとしか、私には思えないのです。
Carnageというタイトルは、ロングストリート家の一室で繰り広げられていた「戦場」という意味のほかに、「大量虐殺」という意味もありますので。

