「瞳は静かに」
2012年 01月 22日
最近の我が国の映画やテレビドラマでは、何しろ、子役たちが大活躍。この映画も、一人の少年が主人公なんですが、ただ、可愛さだけを売りにするお涙頂戴映画ではありません。
1977年、軍事独裁政権時代の、アルゼンチンはサンタ・フェを舞台に、一見、愛らしくて無害な大人しそうに見える少年アンドレスが大人達の秘密を見破って、死に追いやっていくという、ある意味恐ろしい映画です。

オリジナルのタイトルは、”ANDRES NO QUIERE DORMIR LA SIESTA”。
「アンドレスはシエスタなんてしたくない」という意味なんですが、「現実をなにも見ないで、ただ寝ていればよいのだ」と言いたげに、おとなは子どもにシエスタを促すものの、アンドレスは昼寝などしないで、大人たちがなにを話してどんな行動をしているのか、その目に大人の真実の姿を焼き映す・・・
8歳の少年アンドレスを演じたコンラッド・バレンスエラは、これが映画初出演ですが、中性的な美しさをうまく醸し出しています。
ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」の少女アナを思い起こさせるとの映画評が出ていますね。確かに、「ミツバチのささやき」の舞台がフランコ軍事政権下のスペインなのに対し、この映画の舞台は軍事政権下のアルゼンチンが舞台。
でも、コンラッド・バレンスエラ少年を見て、私は、ルキーノ・ヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」で、強烈な印象を残した美少年タジオを演じたビヨルン・アンデルセンを思い出しました。
彼の瞳は大変美しく、吸い込まれるようです。
◆『瞳は静かに』
アルゼンチン/2009年/108分
原題:”ANDRES NO QUIERE DORMIR LA SIESTA”
監督・脚本:ダニエル・ブスタマンテ
出演:ノルマ・アレアンドロ コンラッド・バレンスエラ ファビオ・アステ セシリア・フォント エセキエル・ディアス ラウタロ・プッチア 他

