京都最古の禅寺、建仁寺で龍に逢う
2011年 12月 30日
現在、平成26年の「開山千光祖師(栄西(ようさい)禅師)八百年大遠諱法要」の慶讃事業の1つである開山霊廟・本坊方丈 七堂伽藍である法堂の修復工事が行われているのですが、その事業の名誉顧問が何と細川元総理、そして顧問には三千家の家元がそろって名を連ねています。

細川元総理が名誉顧問となっているのは、建仁寺は禅寺として武士との繋がりも深く、中世には、細川家の菩提寺だった縁から、そして、表裏千家、武者小路千家家元の顧問就任は、栄西禅師が初めて日本にお茶を紹介したことによるのかな。
そういえば、細川さんのご先祖である細川ガラシャの墓も、千家のルーツである千利休のお墓も臨済宗の大徳寺の塔頭にありましたね。
今回、建仁寺を訪問させていただいたのは、龍に逢うためです。来年は辰年ですしね。もちろん、京都には龍の襖絵や天井画がある社寺仏閣は数あれで、こちらの龍ほど迫力満点の大きなものは、おそらくないんじゃないかと思っています。
さて、拝観受付でこんなもの見つけました。

写真撮影OKだとのこと。珍しいですね。そしてわかりやすい。キース・ヘリング風ですね(笑)。描かれたのは絵心のある方によるものとお見受けいたしました。
どうやら、こちらにある国宝の風神雷神図をほじめ・・・

重要文化財指定の襖絵は、高画質デジタル複製になっている所以であるようです。もちろん、襖絵自体、芸術作品として素晴らしいのですが、それをこれだけ正確に表現されたものを作ることができる日本の技術力ってやっぱり凄いなあと思ってしまいますね。
先ず、最初にお目に書かれた龍は、桃山時代から江戸時代初期に活躍した海北派の始祖海北友松によって描かれた雲竜図です。

おそらく、彼の代表作。最も有名なものの一つですね。もともと、海北友松は、浅井家の家臣ですので、どことなく、武人らしい気迫が感じられますね。


そして、法堂(ほっとう)の天井画の「双龍図」。実はこの龍がお目当て。平成十四年創建800年を記念して「小泉淳作画伯の筆によるもの。おそらく、京都では最大でしょう。

大抵、龍って、怖い顔しているのですが(笑)、こちらの龍は結構ひょうきんでユーモラス。

何気に、優しいお顔の龍ですね。

それにしても、大迫力。
そして、龍以外にも、
馬やうさぎが描かれた襖絵(両方とも橋本関節画伯筆によるもの)もありますので、辰年のみならず、午年や卯年にも、建仁寺にどうぞ(笑)。

