元祖そばめし「青森」
2004年 12月 19日

私が、そばめしなる「妙ちきりん」な食べ物に遭遇するのは、比較的最近のことであります。そうですね、今から7~8年前ですかね。
もちろん、「そばめし」の存在は知っておりました。ただ、「焼き飯」は、「焼き飯」、「焼きそば」は「焼きそば」、別々に食べたほうが、美味いに違いないという、私なりに、変なこだわりをもっておりまして(笑)、口にしなかったのであります。
それが、ディープな長田人(神戸市の長田にずっと住みつづけて40年という)と、震災を通じて知りあうようになりまして、元祖そばめしの名店「青森」の存在を教えてもらったのが、そもそもの馴れ初め。
まあ、東京の人は、お好み焼き、焼きそば=こてこての大阪、なにわの味と考えておられると思いますが、神戸も、そこそこ本場だと思うのです。それは、お好み焼き、焼きそばに欠かすことのできない大小ソースメーカーが、神戸にあったということにあります。いつぞや、紹介した「オリバー」さんもその一つであります。
もともと、「ソース味」の焼きそばも、もちろん「そばめし」なんて、「倭の国」にはなかったのです。
終戦直後、長田区内にケミカルシューズの工場が増え始め、時間を惜しんで働く労働者らの要望で、そばめしは生まれたようであります。発祥の地は、先ほど申し上げたとおり長田のお好み焼き屋「青森」であります。
電子レンジなどなかった時代。冷めたご飯を鉄板にのせて温め、おかずはお好み焼きだったということであります。「冷や飯を焼きそばにまぜて」。ある女性の一言が、庶民の味の始まりだったというわけであります。
「青森」のこだわりは、そばめしに入れるスジコン。こんにゃくと牛スジ肉の煮込みです。何ともいえない歯ごたえがあり、美味。牛の脂身、赤身、アキレスをこんにゃくと一緒に、二時間ほど煮込むという。結構手間がかかっており、決して、ファーストフードではないのであります。
美味さ、安さに加え、腹持ちの良さ! これは、庶民の味ですね(笑)。
●青森
神戸市長田区久保町4
そばめし650円、お好み焼き400円。
火曜定休。TEL078・611・1701

