六甲山にこんなものができました。 「六甲枝垂れ」
2010年 07月 28日

7月の中旬にオープンした自然体感展望台「六甲枝垂れ」なる施設、自然体感展望台「(六甲枝垂れ」。
犬島アートプロジェクト「精錬所」などで、脚光を浴びている建築家三分一博志(さんぶいち ひろし)氏設計による、コンペティションで最優秀賞に輝いた作品とのこと。
六甲山上の陽光や風力といった自然エネルギーを活用し、ほとんど電力を使わない構造となっているところなど、素材を活かし周囲の環境に出来るだけ負荷を与えないという犬島のプロジェクトとなにかしらの共通点が感じられますね。
その名称「六甲枝垂れ」のとおり、枝垂れをイメージさせる檜のフレーム「枝葉」が展望台を覆っています。


まったく新しいスタイルの展望台。天気により、明石海峡から大阪平野、関西空港まで見渡せます。

「枝葉」を通して木洩れ日を映し出していました。

また、大木の幹のような展望台の中央部。内部には氷を蓄え、空調を使わずに吹き抜ける風で涼しさを体感できるなど、自然に調和したさまざまな工夫が施されています。
バリアフリーのスロープを下りて、幹下の円形の室に入って行くと・・・

壁は腐りに強いヒノキの集合材で造られていて、独特の良い香りが充満。スタッフによる説明では、壁の向こうに隠された氷室には冬季間に氷が貯蔵され、夏はこの室にエコな冷風を送るようになっているそうです。
ちょうど、私が訪問したのは、神戸でも35度を越す猛暑日。いい按配の爽やかなそよ風を感じることができました。
幹は煙突のようにがらんどうな幹は、晴れれば日光が・・・

雨ならばもろに室中に入って来ます。氷室で溶けた氷は一筋の冷水となって花崗岩の床に流れ込むようになっています。

なお、「風穴(ふうけつ)」では雨天時に「雫のカーテン」を楽しむことができ、冬の寒い季節には「つらら」を観測できるとのこと。
入場料、300円ですが、再訪する価値のある施設だと感じました。眺望に加えて六甲山の自然の豊かさや大切さを景色と一緒に再認識できるこの施設をデザインした三分 一博志氏は要注目ですね。