芸術文化センター管弦楽団第19回名曲コンサート 新緑の輝き バッハ&モーツァルト
2010年 05月 26日

ほんとうに久々に西宮北口の芸術文化センター管弦楽団の演奏会。
と言っても、最大のお目当ては、安永さんのヴァイオリンだったのですが。
芸術文化センター管弦楽団第19回名曲コンサート
新緑の輝き バッハ&モーツァルト
日 時:2010年5月15日(土)
開 演:14:00 (開 場 13:30)
会 場:芸術文化センター 神戸女学院小ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
W.A.モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」
出演者:
ヴァイオリン 安永 徹
ピアノ 市野 あゆみ
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団
まず、モーツァルトのピアノ協奏曲第22番。
市野さんのピアノは、安心できる演奏ぶりだったのですが、それに比べて、芸文オケの金管のはずし方には、ひやひやし通し(弦と木管は健闘していたと思いますが)。
22番というのは、それほど演奏機会が多いとは思えないのですが、その分、
何かしら、戸惑いといったものを感じてしまったのは私だけでしょうか。
そして、お目当てのバッハのヴァイオリン協奏曲第1番。
もちろん、安永さんのヴァイオリン自体も、ところどころはっとする美しさが散りばめられており、思わず乗り出して聴いてしまいました。
そして、さすが、安永さん。気合も入っていたと思うのですが、芸文センターオケから、ちゃんとバッハの音が鳴っておりました。
これは、まさしく、コンマスとしての安永さんの力量なのでしょう。「指揮者が許可する範囲で音楽をするのではなく、みんなで話し合って音楽ができれば」ということで取り組んでいるとのことでしたが、これは、コンマス安永徹の存在があってこそ。若いオケメンバーも勉強になったと思われます。
そして、モーツァルトのジュピター。この演奏におけるオーケストラの集中力は非常に高かったように思われます。もちろん、技術的な傷はなきにしもあらずですが、絶妙な言い回しもあり、気持ちのいい演奏でした。
アンコールは珍しい曲。イギリスの作曲家ウォーロックのキャプリオール組曲から第5曲。
安永さんの説明によると、この組曲は5曲の舞曲から構成。
クラシックのルーツの一つとして、「踊る」という行為にあり、その踊りのなかには、人々の祈りから派生しているといった、安永さんの説明どおり、何かしら「祈り」といったものを感じ取ることできる非常に清らかな音楽でした。
こういう音楽で終わる演奏会は、後味も良く、大変気持ちが良いものですね。
なお、キャプリオルというのは、フランスの聖職者であるT.アルボーの教え子。その二人の対話体で執筆された舞踊に関するアルボーの著書に「オルケソグラフィー」というものがあり、そこで引例されている16世紀の舞曲のふしを用いて組曲を作曲したとのこと。6つの舞曲から成り立つとのこと。